メリケンパーク「TOOTH TOOTH FISH IN THE FOREST」を舞台についに始まった、
神戸の新しいジャズムーヴメント、「KOMOREBI JAZZ」。
無限の可能性広がるこの場所で、毎週金曜日にジャズライブが楽しめるというのは本当に喜ばしいことだ。記念すべき幕開けにふさわしいゲストとして、東京より「.PUSH」が到来!
リーダーである西村匠平のダイナミックなドラミング、美麗な音色と豪快なピアノタッチで魅せる魚返明未、多彩な表現でしなやかに支える高橋陸。そして威風堂々とブロウする中島朱葉のアルトサックスが一体となって生み出されるサウンドは観客を瞬く間に魅了した。
粒ぞろいのオリジナル楽曲の中で特に印象深かったのが新曲の“Catch and Release”。
このバンドでは今までになかったファンクナンバーで、高橋はエレクトリックベースに持ち替え、西村のタイトなドラムと粘り強いグルーヴを生み出していた。極上のリズムに乗って、中島の豪快なサックスと小気味よい魚返のピアノが絡み合う、まさにライブ映えする演奏だったが、この曲の演奏から、バンドの底知れぬ可能性を改めて感じずにはいられなかった。
また、チャーリー・パーカーの生誕100周年にちなんで、彼も名演を残しているジャズスタンダード曲“April in Paris”を披露。オーセンティックなジャズナンバーも見事に聴かせてくれた。革新と伝統の絶妙なバランス感覚も「.PUSH」の魅力のうちの一つだろう。
抜群の演奏はもちろん、無駄のないライブ進行、飽きさせない構成と洗練されたステージングなど、「.PUSH」の魅力は枚挙にいとまが無い。書いていたら楽しいステージの事を思い出してきた。これはもう、「.PUSH」に再びこのステージに登場もらうしかないのではないだろうか。ぜひ再演を!!
<SET LIST>
(1st)
- プッシュのテーマ
- High Step Corner
- Catch and Release
- Like A Candle Light
- 課金 de Saudade
(2nd)
- Pisca Pisca
- April in Paris
- Ora2
- いっぽいっぽ
- SAG ~始発、朝焼け、5時散歩~
(Encore)
- 見上げてごらん夜の星を
小島良太(こじまりょうた)
1986年生まれ。
兵庫県神戸市出身在住。
ジャズライター/ジャズフリーペーパー「VOYAGE」編集長。
神戸市「ジャズの街神戸」推進協議会メンバー。
Webでは、 http://kobejazz.jpやhttps://thebeatgoeson.jp/、
紙媒体では「ジャズ批評」、「JAZZ JAPAN」等、ジャズ専門誌に寄稿中。
Twitterアカウント @Voyageharima