「KOMOREBI JAZZ」のステージに注目度高まる新進気鋭のサックスプレイヤー、ビリージーンが初登場!参加する同志社大学サードハードオーケストラでは2018年に山野ビッグバンドコンテストで最優秀賞に輝くなど、これまでの経歴も華やかだが、今回はこれからのさらなる活躍を大いに期待させるステージとなった。
アルトサックスのレジェンド、キャノンボール・アダレイの名演が記憶に残る“Who Cares?”から、ビリージーンのサックスは力強く逞しい音を轟かせる。続く自身のオリジナル、“Street Walker”も彼女曰く、ハットを着てスーツを着たジャズミュージシャンをイメージしたという楽曲ならではの颯爽とした曲調は、ジャズのクールなイメージを想起させる。また彼女が敬愛するスタンリー・タレンタインの代名詞の曲と言える“Sugar”でもパワフルなブロウが痛快だった。飼っていた子猫の想い出を曲に込めた“Zoe”も、感情をしっかり織り込んだ表現で聴かせてくれた。
強力なアルトサックスの演奏に加えて、特筆すべきは彼女の歌声だろう。
“Gee Baby Ain’t I Good to You”で聴かせてくれた哀感はダイアナ・クラールを思わせる所もあり、これから本格的に取り組むという歌唱についても、今後さらに注目が高まりそうだ。
ビリージーンと共演歴も多い岩田、小玉、坪田のリズムセクションは彼女の意図するサウンドを盛り立て、その魅力を巧みに引き出していた。それぞれの実力は今や関西のみならず、日本のジャズシーンの今後を担う面々だ。彼らの活躍にも是非注目を。
サックス、歌、そして作曲と様々な魅力を放つビリージーン。この名前は是非覚えてほしいし、名前を目にする機会もきっと増えていくに違いない。
<Member>
- ビリージーン(Alto Sax,Vocal)
- 岩田智貴(Piano)
- 小玉勇気(Bass)
- 坪田英徳(Drums)
<SET LIST>
(1st)
- Who Cares?
- Street Walker(ビリージーン)
- I Remember You
- Sugar
- Gee Baby Ain’t I Good to You
(2nd)
- Shirley
- Zoe(ビリージーン)
- If I Should Lose You
- Rockin Chair
(Encore)
Save your Love for Me
小島良太(こじまりょうた)
1986年生まれ。
兵庫県神戸市出身在住。
ジャズライター/ジャズフリーペーパー「VOYAGE」編集長。
神戸市「ジャズの街神戸」推進協議会メンバー。
Webでは、 http://kobejazz.jpやhttps://thebeatgoeson.jp/、
紙媒体では「ジャズ批評」、「JAZZ JAPAN」等、ジャズ専門誌に寄稿中。
Twitterアカウント @Voyageharima